無効の遺言書があっても死因贈与で登記OKなケース


ちょっと興味深い不動産登記の依頼がありました。

被相続人Aは、離婚した元夫Bに自宅不動産を相続させる旨の自筆遺言証書を残して死亡しました。

ところがその遺言書には押印がなく、形式的には無効でした。しかも、他に法定相続人がいないという状態です…

相続財産管理人を選任して…とかんがえるところですが、今回のケースでは相続財産管理人を選ぶ経済的な余裕がないということで(裁判所に確認すると、不動産所有の場合100万ほど予納が必要とのことで)、どうするか途方に暮れていました。

依頼人の方がいろいろ調べたり、法務局に相談したところ、AとBとの間に「死因贈与契約」あったものと考えて所有権を移転するという方法で登記が可能ということになりました。

裁判例でも、遺言が要式不備で無効としても、死因贈与契約の成立を認めるものがあるようですね。

まずは遺言書の検認をし、遺言執行者の選任の申立てをします。次に、登記原因証明情報を作成します。登記原因証明情報には死因贈与契約があった旨、遺言書がある旨、遺言執行者が選任された旨を記載し、当事者(Bと執行者)で押印をしました。法務局には内容について事前に確認してもらいました。

登記原因証明情報には、検認済遺言書、遺言執行者選任審判書を添付しました。

これで無事に所有権の移転登記を行うことができました。

世の中に沢山あるかどうか分かりませんが、私が遭遇したのは初めてなので覚書です。

※実際の事案に関しては、事前に法務局や専門家へご相談ください。
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