【取扱事例】競売不動産の売却許可決定取消申立 その2


以前、当ブログにて競売不動産の売却許可決定取消申立ての事例を記事にさせていただきましたが、この記事をご覧になった方が当事務所にお問い合わせいただくことが、年間に2〜3件はあります。

【取扱事例】競売不動産の売却許可決定取消申立
http://office-chor.jp/blog/shihoshoshi/saibanjimu/136/
東日本大震災のあとのことですが、福島の不動産を落札された方が、売却許可決定後に東日本大震災が起きてしまい、原発事故の放射能の影響で不動産の価格が相当減ってしまったため、売却許可の取消をしたいとご相談を受けたことがあります。
この件はお電話でアドバイスさせていただき、ご本人が申立てをしたところ翌日には取消決定が出たそうです。さすがにこのようなことがあると、かなり早く結果が出るようです。

今年に入ってから、売却許可の取消申立てをご自身でされており、その後の理由書を作成してほしいとのご依頼がありました。

概要は、競売不動産に入札して最高価買受人となり、売却許可決定が出たが、その後建物内に入り建物を調べたところ、めまいがするほど床が傾いていることが分かったので、入札を取り消したいということでした。

床が傾いている原因は、地盤がゆるいためということで、建築学会の資料によるとこの傾きの程度は大規模半壊に相当するようなものということでした。この補修工事をすると300万円前後もかかってしまうそうで、これは大変ことです…
各種資料を集めるよう依頼人にお願いし、私の方で理由書を作成しました。

集めた資料は、
・当該建物の床の傾斜角等の測量結果の報告書
・日本建築学会の資料
・建物の傾き修正のための、レベル修正・地盤補強工事、付随する設備工事・補修工事の見積書
等でした。

競売事件の現況調査報告書や物件明細書には、建物の傾きは記載されておらず、入札前の目視では建物が傾いていることが分からなかった事情がありましたので、それも取消の申立の理由としました。

理由書の提出後、裁判所で補充現況調査と補充評価命令が出され、評価人の現況調査の結果、傾きが生じていることがわかり、建物の周辺の地盤が脆弱で建物建築に当たって地盤補強が必要であることが判明し、評価人はこの点を踏まえて評価額を減らしました。

その結果、評価額が約26%減価したので、民事執行法75条1項にいう「損傷」があり、その損傷が軽微なものとはいえないということで、民事執行法75条1項、188条の類推適用により取り消すとの決定がでました。

依頼人は、関係各所に相談したが取消は無理だろうと言われていたところ、取り消せるという意見の人もいて、いろいろ方法を探していて申立てに至ったということでした。
うまく結果が出て私としても嬉しい結果となりました。

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