同じ金融機関の抵当権が2本設定されている場合の抹消登記


■ 1番抵当権A銀行 2番抵当権A銀行 とつける場合

住宅ローンを借り入れる際に、同じ金融機関から融資を二口に分けて、それぞれ抵当権を設定する場合があります。

例えば、A銀行から3,000万円の住宅ローンを借り入れるに際して、土地と建物に1番抵当権で2,000万円、2番抵当権で1,000万円を設定するといった例があります。

住宅ローンを変動金利の2本立てにして、一口だけ後日から変動金利から固定金利に変更したりとか、一本だけ先に完済したりとか、柔軟な返済計画を立てるのに行われるようです。

■ これを両方共完済した場合

さて、無事にこの住宅ローンを完済した場合に、抵当権の抹消をするわけですが、前の例で言えば土地と建物に1番抵当権と2番抵当権がついていますので、1番抵当権抹消、2番抵当権抹消と申請を分けて出すこともできますが、一つの申請書で申請可能です。

■ 申請2つと申請1つの違い

申請の本数が変わると、登録免許税が変わってきます。
抵当権抹消の登録免許税は、1申請につき、不動産の個数×1,000円です。

申請を分けると、

申請書(1) 登記の目的「1番抵当権抹消」登録免許税「2,000円」

申請書(2) 登記の目的「2番抵当権抹消」登録免許税「2,000円」

となるので、計4,000円です。

これに対し、一つの申請書で行えば

申請書 登記の目的「抵当権抹消(順位番号後記のとおり)」登録免許税「2,000円」

だけですので、2,000円お得になります。
何か特殊な事情がなければ、普通は申請一つで行った方がいいです。

■ 一つでできる条件

さて、一つの申請書で申請ができる条件は、

(1)登記の目的が同じ

(2)抹消登記の登記原因及びその日付が同じ

(3)抵当権者(金融機関)が同じ

ということが必要です。

■ ソース

根拠ですが、不動産登記令第4条は、

(申請情報の作成及び提供) 第四条 申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない。ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるときは、この限りでない。

となってまして、「その他法務省令で定めるとき」の「法務省令」というのは不動産登記規則を指しますが、その第35条10号に

十 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記が、同一の債権を担保する先取特権、質権又は抵当権(以下「担保権」と総称する。)に関する登記であって、登記の目的が同一であるとき。

とあり、これが一つの申請書で申請できる根拠になろうかと思います。

それで、登録免許税の計算ベースは不動産の数なので、土地建物1筆ずつなら2,000円となるわけです。

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