相続人の一部からの申請による、法定相続分での相続登記


相続登記で、共同相続人のうち一人から、法定相続分で登記してほしいとの依頼がありました。

たとえば…
不動産の登記名義人Aが死亡して 妻B、子C、子D が相続人である場合。

Bのみからの申請で、

「B2分の1、C4分の1、D4分の1」の持分割合(法定相続分)で、相続を原因とする所有権移転登記の申請ができます。

とまぁ、このことは受験勉強にも出てきますので、私でも問題ないです。

ところが今回は…

・登記名義人Aが死亡し、その相続人が子B、子C、子D

・その後BCDは全員死亡し、BCDにはそれぞれ相続人(Aからすれば孫)がいる

というケースです。

この状態から、Bの子であるEのみからの申請で、法定相続分に基づく登記により、BCDの孫たち全員の名義にできるか、という問題です。

最初はよく考えずにできると思いこんでましたが、申請をどうするかと考えたときに、

・1件目・・・AからBCDへの相続登記

・2件目・・・BからEFへの相続登記

と、ここまではいいのですが、

・3件目・・・CからGHへの相続登記

の際に違和感が。

Cの相続の関係では、Bの相続人であるEは関係ないといえば関係ないので、申請人になれないのでは?と思ったわけです。

基本法コンメンタールとかモノの本などによると、相続人の一人からする法定相続分による所有権移転登記ができるのは、保存行為だからという説明がされているようで(先例があるのかどうか調べた限りではわかりませんでした)、その根拠は民法252条但書のようなんですね。

第252条
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

これは、共有物に関する規定です。

てことは?

Eは相続が順次発生した結果、不動産の共有者の一人になったわけですから、もしやEからの申請でもいけるんじゃないか?と思い至りました。

というわけでおそるおそる法務局に事前に相談させてもらったところ、東京法務局本局では「うーん、あんまりないケースですよね。管轄の法務局で聞いてみてください」とのこと。

で、管轄の法務局では、「できないと思いますね」との回答。

1件目の申請を、亡B、亡C、亡D名義に登記して、2件目で亡BからEFへの相続登記しか行えないということです。

理由は「亡Cの関係でEは申請人になれないから」ということです。

そうですか…

やっぱりそれしかないですかね(^^;

引き続き調べます。

…ちなみに債権者代位はつかえないケースでした(代位原因がないので)

(H26.4.3追記)

追記が遅くなりましたが、Facebookで同業の方や弁護士さんからのご意見をいただき、やはりできないということがわかりました。
共有者の1人が他の共有者の相続登記を申請することはできないとする先例(登記研究258-74)があるのと、不動産登記法63条2項の規定からも申請人にはなれないのでは、ということでした。ありがとうございました!

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